2002 年 1 巻 1 号 p. 49-51
圃場におけるキャベツの結球葉は,冬期間も日射などの条件により,一時的に気温より高温になることが予想される.そこで,冬期間のキャベツにおいて,葉温の上昇と脱順化の関係について検討した.晴天が続いた1997年2月24日は,キャベツ結球部分の葉温は一時的に気温よりも10℃以上高くなり,最高で22℃に達した.結球葉の耐凍性は,午前9時よりも午後4時の方が低下し,脱順化が起きている可能性が示された.さらに多くの個体を用い,数日間の葉温と耐凍性の関係を調べた.一部の日を除くと晴天日には,個体ごとの日中の平均葉温と午後4時における耐凍性に相関関係がみられ,日中の葉温上昇が耐凍性を低下させていることが確認された.以上の結果から,冬期間の圃場で結球しているキャベツは,晴天時に結球葉への直達光が葉温を上昇させて,脱順化する可能性のあることが明らかとなった.