抄録
保存温度と播種前のGA処理が,センブリ種子の発芽に及ぼす影響を調査した.保存温度については,5℃以下で保存することにより種子採取直後と同等の発芽率,発芽勢および平均発芽日数を半年以上維持できた.播種前の蒸留水浸漬処理区と200 ppm GAへの12または24時間浸漬処理区を比較した場合,発芽率などに差がなかった.しかし,高濃度のGA処理や長時間の浸漬処理では,発芽率が低下した.以上より,冷蔵あるいは冷凍によって,従来よりも半年以上長くセンブリ種子の保存が可能であった.しかし,GAによる発芽促進効果は明らかにできなかった.