抄録
新潟県園芸研究センターに維持,保存されている食用ギク在来系統を用いて,包括的な食用ギクの特性調査を行い,新潟県における主系統である‘かきのもと’と比較することにより,多様な在来系統の特性を明らかにした.その結果,早期に収穫できる系統,収量性に優れる系統,食感(シャキシャキ感)の強い系統,甘みの強い系統,アントシアニン含量が多い系統などが見いだされた.また,相対的核DNA量の分析から,染色体数が2n = 53~57,2n = 63~66,2n≧70の3つのグループに分けられることが推定された.抗酸化活性には明らかに系統間差が認められ,有望系統選抜の指標となり得ると考えられた.