園芸学研究
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育種・遺伝資源
In vitroでトルコギキョウを開花させる培養方法
黒柳 悟大石 一史伊藤 夢子大矢 俊夫
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2012 年 11 巻 2 号 p. 159-164

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抄録
矮性のトルコギキョウをin vitroで開花させることを目的とし,培地組成,光合成有効光量子束密度(PPFD),培地中のショ糖濃度,通気開始時期がトルコギキョウの成長・開花に及ぼす影響について調査した.培地組成の調査では,修正ハイポネックス(MH)培地を用いた際に,開花率が最も高く,草丈が最も低くなった.PPFDは80 μmol・m2・s1以上で,ショ糖濃度は40および60 g・L1で草丈が約8 cmで開花した.通気の調査では,播種~4週間後に通気を開始した際に開花率が最も高く,草丈が最も低くなった.従って,以下の条件でin vitroにおいて草丈8 cm以下でトルコギキョウを開花させることができる.播種~開花までのPPFDを80 μmol・m2・s1とし,播種4週間後に通気を開始する.播種~4週間後の移植までの培地をショ糖濃度30 g・L1のMS培地とし,次の播種~8週間後の2回目の移植までの培地をショ糖濃度30 g・L1のMS培地とする.最後の2回目の移植~開花までの培地をショ糖濃度40 g・L1のMH培地とする.
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© 2012 園芸学会
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