2012 年 11 巻 2 号 p. 195-198
ウメにおける緑萼(青軸)性の遺伝様式の解明のために,41組み合わせの交雑から得られた626実生について,アントシアニン生成能力の有無を調査した.両親がともにアントシアニン欠如の組合せでは,すべての実生がアントシアニン欠如であった.アントシアニン欠如 × アントシアニン生成およびアントシアニン生成 × アントシアニン欠如の組合せでは,すべての実生がアントシアニン生成となる組合せと,アントシアニン生成とアントシアニン欠如が1 : 1に近い割合で分離する組合せがあった.両親ともにアントシアニン生成の組合せでは,すべての実生がアントシアニン生成となる組合せと,アントシアニン生成とアントシアニン欠如が3 : 1に近い割合で分離する組合せがあった.以上の結果から,ウメの緑萼性は劣性の一遺伝子(a)によって支配されていると考えられ,25品種・6系統の遺伝子型を推定した.