園芸学研究
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育種・遺伝資源
コルヒチン処理・茎頂培養併用法によるスパティフィラム(Spathiphyllum wallisii Regel‘Merry’)の四倍性個体の誘導
小笠原 利恵住吉 稔川原 勇太加藤 淳太郎福井 博一
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2012 年 11 巻 2 号 p. 189-194

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抄録

スパティフィラム(Spathiphyllum)の新品種育成を目的として,塊茎へのコルヒチン浸漬処理による四倍体の作出を行った.展開葉および未展開葉を除去した塊茎をコルヒチン0,0.1,1.0および10.0 mM(DMSO 1%)に12,24および48時間浸漬処理した.処理後に生育した植物体の倍数性をフローサイトメトリー分析で判定した結果,コルヒチン10.0 mM処理区で二倍性細胞と四倍性細胞のキメラ個体が3個体得られた.四倍体を獲得するために,キメラ個体の茎頂培養を行い,多芽体を形成させ再分化した植物体を順化した.生育した植物体の倍数性を再度判定した結果,1個体の四倍体を獲得した.四倍体は二倍体と比較して,気孔の肥大,葉幅/葉長比の増大,花茎や肉穂花序の肥大化,仏炎苞の卵形化と肥厚化などの形態的な変化が観察された.

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© 2012 園芸学会
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