抄録
長日検定(24時間日長)により,四季成り性の判別と四季成り性の遺伝様式を解析した.四季成り性と一季成り性は,長日検定により高い精度で判別が可能であった.四季成り性の遺伝は,長日検定において単因子優性遺伝子支配であることが示された.供試した四季成り性品種の四季成り性の遺伝子型はいずれもヘテロ接合型であり,EB型とDN型の四季成り性遺伝子は同一座の遺伝子であると推測された.四季成り性実生個体は,一季成り性実生個体に比べて有意に葉身が短く,葉柄径が小さかった.四季成り性実生個体間には,第1花房の着生節位および頂花の開花日に幅広い変異が存在した.四季成り性品種と一季成り性品種のF1は,四季成り性品種間のF1に比べて四季成り性個体の第1花房の着生節位が高く,頂花の開花日が遅い傾向があった.親子回帰により推定した2か年の第1花房頂花の開花日の遺伝力は,0.275と0.498であった.