2012 年 11 巻 4 号 p. 449-457
コルヒチン処理により得られた20品種・系統の四倍体および2x-4x-4x倍数性キメラについて,葉および花の形態的特性の調査を行った.四倍体のすべての品種・系統において,葉の厚さが二倍体と比較して大きく,気孔密度が二倍体と比較して低かった.一方,花では,すべての品種・系統において二倍体との間に有意差が認められた形質はなかった.2x-4x-4x倍数性キメラでは,すべての品種・系統において葉の厚さが二倍体と比較して大きくなったが,気孔密度には一定の傾向がみられなかった.また,花では,すべての品種・系統において二倍体との間に有意差が認められた形質はなかった.これらの形態的特性は,コルヒチン処理個体群から四倍体および2x-4x-4x倍数性キメラ個体候補を粗選抜するために利用でき,フローサイトメトリーによる倍数性解析の効率化を図ることが可能である.