園芸学研究
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栽培管理・作型
低温期のスプレーギク施設栽培におけるEOD-heatingの有効性
道園 美弦久松 完大宮 あけみ市村 一雄柴田 道夫
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2012 年 11 巻 4 号 p. 505-513

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抄録

低温環境制御下における暗期短時間昇温処理の時間帯の違いがスプレーギクの花芽分化および発達に及ぼす影響について調べるとともに,冬季低温環境下の施設栽培におけるEOD-heating処理が生育,開花の遅延や切り花品質の低下を軽減する効果について調べた.明期16℃,暗期8℃,12時間日長の環境制御下でスプレーギク‘Sei-Roza’は,EOD-heating処理により花芽分化および初期の花芽発達が促進されることを明らかにした.冬期の施設栽培の省エネルギー化を目的に最低気温18℃から温度を下げた場合の短時間昇温処理の影響を調べ,供試した3品種(‘Sei-Roza’,‘Monalisa’,‘Wodka Sunny’)は,最低気温13℃程度の気温条件で20℃のEOD-heating 3時間処理により最低気温18℃条件とほぼ同時期に開花した.最低気温13℃条件下で供試した4品種(‘Sei-Roza’,‘Sei-Elza’,‘Monalisa’,‘Wodka Sunny’)は,出荷規格上,問題となる花房形質の劣化をEOD-heating処理により軽減させることができた.この時の短日処理期間の消費熱量を算出すると15%程度削減となった.

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© 2012 園芸学会
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