園芸学研究
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栽培管理・作型
北海道南部で発生したトマトのつやなし果の形態的特徴とその判別法
細淵 幸雄斉田 純子五十嵐 俊成
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キーワード: 外果皮, 亀裂, 凹凸, 乱反射
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2013 年 12 巻 1 号 p. 83-87

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抄録
北海道南部に発生する,トマトのつやなし果の形態的特徴とその判別法を明らかにした.暗所において,つやなし果の外果皮に単一光を照射すると乱反射した.果実の果皮断面を顕微鏡観察すると,外果皮表面は正常果では平滑であったのに対し,つやなし果では凹凸状であった.外果皮表面をSUMP法で観察すると,正常果は多角形の細胞が配列されていたのに対し,つやなし果ではそれに加えて亀裂が認められた.この亀裂が外果皮の凹凸を形成し,照射される光を乱反射させ,つや(光沢)をなくすとともに,ざらつきの原因になると考えられた.つやなし果は,正常果に比べて収穫後の果実水分の損失が多く日持ち性が劣った.
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© 2013 園芸学会
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