抄録
明期20 ms/暗期80 msの時間構造を有する防蛾用黄色パルス光を小ギク生産で用いるために,放射照度(0,20,35および50 mW・m−2)が数種の夏秋ギク型と秋ギク型小ギク品種の開花および切り花形質に及ぼす影響を調査した.茎頂付近の放射照度が20 mW・m−2では,すべての品種で,発蕾所要日数,到花日数,花房型などの切り花形質に大きな影響はみられなかった.しかし,35および50 mW・m−2で栽培すると,これらの放射照度に対して敏感に反応し,開花までの日数で9.9~17.6日,切り花長で18.4~22.7 cm増加した品種がみられた.