園芸学研究
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発育制御
キクの電照栽培における暗期中断電照時間帯が花芽分化抑制に及ぼす影響
白山 竜次郡山 啓作
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2013 年 12 巻 4 号 p. 427-432

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抄録
キク電照栽培における効果的な電照技術を確立するために,電照時間帯が花芽分化抑制効果に及ぼす影響を,限界日長の異なる夏秋ギクおよび秋ギクを用いて調査した.夏秋ギク‘岩の白扇’を用いて電照時間帯と花芽分化抑制効果を調べた結果,電照の効果が高い時間帯は暗期の中心ではなく,後夜半であった.そこでシェードを用いて‘岩の白扇’の暗期開始時刻を早めたところ,電照効果の高い時間帯が早くなった.次に秋ギク‘神馬’を用いて,暗期の中心を0:00に固定した日長12,10および8時間の3区で電照効果の高い時間帯を検討したところ,日長の長い区ほど電照効果の高い時間帯が後夜半にずれる傾向が認められた.このことから,電照効果の高い時間帯は暗期開始からの経過時間と関係があり,‘神馬’の場合は,暗期開始から9~10時後が電照効果の高い時間帯であると考えられる.また‘岩の白扇’と‘神馬’の電照効果の高い時間帯を比較した結果,‘岩の白扇’は,暗期開始から電照効果の高い時間帯までの時間が短い傾向にあり,品種ごとの限界日長との関連性が示唆された.
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© 2013 園芸学会
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