園芸学研究
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発育制御
カキ‘早秋’と‘刀根早生’果実におけるカロテノイド蓄積とカロテノイド生合成関連酵素遺伝子の発現特性
新川 猛加藤 雅也鈴木 哲也尾関 健生駒 吉識
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2014 年 13 巻 1 号 p. 53-58

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抄録
完全甘ガキの‘早秋’と不完全渋ガキの‘刀根早生’は,現在の早生ガキの主力品種であるが,収穫時の色調は‘早秋’は赤く,‘刀根早生’は橙色と異なっている.本研究では,この2品種のカロテノイド蓄積の特徴について明らかにした.果皮では,lycopene-ε-cyclase以外のmRNAレベルが成熟に伴って高い発現量を示し,カロテノイド含量も増加していった.特に‘早秋’では,収穫期に急激に増加し,総カロテノイド含量は‘刀根早生’の2倍となった.両品種とも,β-カロテン,β-クリプトキサンチおよびゼアキサンチンの3種類が総カロテノイド含量の9割弱を占め,構成比に差は認められなかった.果肉では,lycopene-ε-cyclaseとzeaxanthin epoxidase以外のmRNAレベルが成熟に伴って徐々に高い発現量となり,総カロテノイド量も増加していった.‘刀根早生’は,収穫期の相対的なmRNAレベルは‘早秋’より高い傾向にあった.カロテノイドの構成比に差は認められなかったが,‘刀根早生’の総カロテノイド含量は,‘早秋’の1/4と少なかった.また収穫直前に‘刀根早生’のゼアキサンチン含量は減少した.このことから,‘刀根早生’はカロテノイドを分解しやすい品種ではないかと推察した.
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© 2014 園芸学会
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