園芸学研究
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発育制御
アスパラガス一年生株には休眠導入されない発育相が存在する
山口 貴之前田 智雄
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キーワード: 萌芽, 低温
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2016 年 15 巻 1 号 p. 67-72

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抄録
アスパラガス3品種‘ウェルカム’,‘PA100’,‘スーパーウェルカム’について,播種から一定期間休眠が導入されない発育相が存在するかを明らかにすることを目的とし,播種からの日数が異なる苗を,‘ウェルカム’において休眠が導入される16°Cおよび休眠が導入されない22°Cで温度処理した場合の萌芽性について検討した.22°C処理の‘ウェルカム’および‘PA100’は,日齢を問わずほとんどの株で萌芽が見られた.一方,85日齢までの‘ウェルカム’,105日齢までの‘PA100’および85日齢までの‘スーパーウェルカム’は,16°C処理でも,ほとんどの株で萌芽が見られたことから,休眠が導入されない発育相であると考えられた.また,休眠性を獲得していると考えられる195日齢の株において,‘スーパーウェルカム’は22°C処理で萌芽が見られない株が認められ,‘PA100’は16°C処理でも萌芽する株が認められたことから,休眠導入が可能な温度は,品種により異なることが示唆された.
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© 2016 園芸学会
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