2017 年 16 巻 1 号 p. 1-6
オクラ種子の非高温下における出芽を生産者が容易に促進できるように,培養土を水分調節資材に用いたプライミングを開発しようとした.‘東京五角’ 種子と35~55%水分含量の培養土を瓶に入れて15~30°C下で1~4日間プライミングした後,コンテナに播種して20°C下に置いた.30°C/1日/45%区の出芽促進が著しく,播種後8日の出芽率が,無処理区の53%に対して,94%と優れた.30°C/1日/45%区の種子を5月に圃場播種したところ,無処理区より出芽が早く開始し,地上部新鮮重が均一であった.30°C/1日/45%区の種子を数日間室温下で保管後5月に圃場播種した結果,処理終了後直ちに播種した区と出芽特性に差がなかった.本実験のプライミングは出芽を促進させ,その効果は播種期の延期を想定した処理種子保管後も維持された.