2017 年 16 巻 3 号 p. 295-300
冬季に加温を必要とするインパチェンスの生育・開花とエネルギー消費量に及ぼす根域加温の影響について検討した.最低気温と根域温度をそれぞれ13°C/無加温,8°C/無加温,8°C/13°C,8°C/18°Cに設定した4区を設け,根域環境制御システム(RECS)を用いてインパチェンスを2014年2月1日から4月22日まで栽培した.葉数,葉面積,地上部の乾物重,花数は8°C/18°C区で最も多くなった.葉面積および地上部乾物重は平均根域温度が高くなるほど増加し,生育と平均根域温度の間には極めて高い相関関係が認められた.開花時期は13°C/無加温区と比べると,8°C/13°C区と8°C/18°C区において約10日間促進された.生育と開花が最も促進された8°C/18°C区の消費電力量は13°C/無加温区よりも32%削減された.