園芸学研究
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育種・遺伝資源
モモ亜属種,スモモ亜属種およびオウトウ亜属種の種間交雑
山口 正己八重垣 英明末貞 佑子土師 岳三宅 正則
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2018 年 17 巻 2 号 p. 147-159

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抄録

モモ,光核桃,甘粛桃,新疆桃およびノモモなどのモモ亜属種と,ニホンスモモ,ミロバランスモモ,ウメ,アンズ等のスモモ亜属種,およびオウトウ亜属のユスラウメとニワウメを用いて種間交雑を行い,種の組み合わせが結実率に及ぼす影響について検討を行った.モモ亜属に属する種では甘粛桃を種子親にした場合を除き,相互交雑による結実は比較的良好であった.モモ亜属種にスモモ亜属種やニワウメ,ユスラウメを受粉した場合には結実は極めて不良であった.これに対して,スモモ亜属種にモモ亜属種を受粉すると,結実は組み合わせにより異なり,ミロバランスモモやニホンスモモは低率ではあるが種子が得られたのに対して,ウメおよびアンズへの受粉ではモモ,光核桃,ノモモでほとんど結実がなく,甘粛桃の受粉では比較的高い結実率が得られた.スモモ亜属種相互の交雑においては,ミロバランスモモとニホンスモモに対するウメ,アンズ受粉では比較的高い結実がみられたが,逆の組み合わせでは結実しなかった.ユスラウメを種子親または花粉親とした交雑では,いずれの亜属種との組み合わせでも結実は極めて少なかったのに対して,ニワウメをミロバランスモモに受粉した場合には少数ではあるが種子が得られた.また,ニワウメに対する他の種の受粉では,ミロバランスモモ,アーモンド,ウメなどとの組み合わせで比較的高い結実率が示された.

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