園芸学研究
Online ISSN : 1880-3571
Print ISSN : 1347-2658
ISSN-L : 1347-2658
普及・教育・利用
日本洋蘭農業協同組合メダル審査から見るPaphiopedilum属の白色整形花の評価
名徳 倫明
著者情報
キーワード: 花弁幅, 花径幅, ラン科植物
ジャーナル フリー

2018 年 17 巻 2 号 p. 237-242

詳細
抄録

ラン科植物の中のPaphiopedilum属 (Paph) は,様々な品種改良が行われ,現在では,花型が大きく丸く,色彩の鮮やかな整形交配種が多く誕生している.そこで今回はPaphの白色整形花の評価をJOGAのメダル審査にて入賞した1981年から2015年までの入賞個体を対象として,花形や大きさを調査した.また,白色整形花の改良に大きく貢献した2種のPaph. F. C. PuddleおよびPaph. Skip Bartlett交配系統に分類して集計した.30年の経過とともに,花径幅,花弁幅では15 mm程度大きくなり,花弁幅/花径幅では0.1程度上昇した.これらの値からも,白色整形花はより大きく丸く品種改良されていることが伺えた.さらに2000年前後から改良が大きく進み,特にPaph. Skip Bartlettの血統を引くS系交配が品種改良に非常に貢献し,今後もこれらの系統を使った交配親を用いることにより,大きく品種改良が進むであろうと考える.

著者関連情報
© 2018 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top