園芸学研究
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新品種
ほうき性・菊咲きの花モモ新品種‘白楽天’と‘舞飛天’の育成
山口 正己馬場 正末貞 佑子安達 栄介山根 崇嘉澤村 豊八重垣 英明
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2018 年 17 巻 4 号 p. 475-482

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抄録

ほうきももタイプの花モモG-11-19と‘菊桃’の交雑F2実生集団から,ほうき性樹形を有し菊咲きの花モモ新品種,‘白楽天’と‘舞飛天’の2品種を育成した.F1として得られた6個体の実生はいずれも普通性樹形で,花は八重咲き,桃色で普通咲き性を示した.また,これらのF1実生を自殖して得られたF2実生群では,いずれの組み合わせからもほうき性樹形の個体が出現したが,菊咲き性個体は2組み合わせに限定され,ほうき性と菊咲き性を併せ持つ個体の出現率はF2全体の1.8%と極めて低率であった.‘白楽天’はほうき性樹形で花弁色は白色,花弁が細い菊咲きで,開花期は‘菊桃’より1~2日早い.‘舞飛天’もほうき性樹形と菊咲き性を併せ持ち,花弁色は桃色で,開花期は‘菊桃’より数日早い.両品種とも,果実は果頂部が鋭く尖る‘菊桃’に似た特徴を持ち,小果で果肉の苦みが強く食用には適さない観賞用の品種である.いずれも2017年3月15日に新品種として登録された.

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