園芸学研究
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新品種
カプシノイドを含有するトウガラシの新品種‘HC3-6-10-11’(Capsicum annuum)の育成とその特性
西本 登志矢澤 進浅尾 浩史佐野 太郎安川 人央皆巳 大輔東井 君枝矢奥 泰章杉山 立志平野 博人
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2018 年 17 巻 4 号 p. 483-489

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抄録

カプシノイドを含有し,食味がよいトウガラシの新品種‘HC3-6-10-11’を育成した.カプシノイドを含有する良食味品種の‘ひも’を種子親,カプシノイドを高含有しカプサイシノイド含有量が少ない‘CH-19甘’を花粉親とする交雑後代から選抜し,F8世代で固定を確認した.特性調査と現地適応性検定試験を経て2015年に品種登録出願を行い,2017年に品種登録された.‘HC3-6-10-11’は,果実重量が6 g前後であり,雨除け栽培では,‘甘とう美人’や‘サラダ甘長’と同等以上の果実収穫量が得られた.2014年の果実のカプシノイド含有量は1956 μg・g–1DWであった.果実生産は奈良県内に限られ,未熟果のみ販売が可能であり,販売先を飲食店と加工業者に限定している.

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