2019 年 18 巻 4 号 p. 423-430
UV-B照射がキャベツ(Brassica oleracea L.)およびアカジソ (Perilla frutescens(L.))スプラウトの生育, アントシアニン含量および抗酸化性に与える影響を調査した.UV-B照射によって,いずれの植物種においても子葉の長さおよび新鮮重が減少した.しかしアカジソにおいて,蛍光灯の同時照射によって生育障害が軽減された.アントシアニン含量については植物種で差が見られ,UV-B照射によってキャベツでは増加したものの,アカジソでは減少した.抗酸化性はUV-Bによって向上する傾向を示し,特に蛍光灯を同時照射した場合に顕著であった.以上の結果より,UV-B照射がスプラウト生産に有効か否かは植物種によって異なることが示唆された.また,可視光の同時照射によってUV-Bによるダメージを軽減できる可能性があると考えられた.