園芸学研究
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育種・遺伝資源
ナスの栽培作業を不快にする特性とわが国の品種へのとげなし性の導入
堀田 行敏菅原 眞治矢部 和則
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2003 年 2 巻 1 号 p. 1-4

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抄録
ナス栽培従事者に対するアンケート調査から,ナスの栽培作業を不快にする特性は,とげ,毛じおよび紫色の色素であることがわかった.その中でも特に,とげは作業の際の痛みの原因となるとともに,果実を傷つけるため,最も改善すべき特性であった.
オランダのとげなし性品種‘Freia’と‘千両2号’および‘美男’の交雑後代から,わが国の品種としての実用形質をもつとげなし性の系統を育成できた.また,‘Freia’由来のとげなし性はわが国のナス品種の実用性を損なう劣悪な形質と密接な関連はないと考えられた.両親にとげなし性を導入することによって,とげなし性のF1品種の育成が可能であることが示唆された.
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© 2003 園芸学会
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