園芸学研究
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育種・遺伝資源
RAPDによるハナハス品種の遺伝的関係
香取 正人野村 和成渡辺 慶一米田 和夫
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2003 年 2 巻 3 号 p. 153-156

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抄録

日本,中国で古くから栽培されているハナハス品種,アメリカキバナハス,ならびにアジアハスとアメリカキバナハスの種間雑種に基づく品種を供試し,RAPDによるDNA多型に基づく系統関係について検討した.10-merのプライマーを単独または無作為に2種類組み合わせた合計54組み合わせのプライマーを用いてPCRを行った.このうち,増幅バンドが確認され,かつ多型バンドが認められたのは43組み合わせであった.PCRごとの多型バンド数は1~8本で,平均は4.7本であった.多型を示したバンドの合計は204本であった.RAPD分析により,供試したハナハス品種は,アジアハス群,キバナハスとその交雑種群,ならびに日本の古い地層から出土した種子由来の品種群の3群に区分されることが示された.わが国に古くから栽培されている品種のうち,西日本で成立したと考えられる原始蓮,玉繍蓮,藤壺蓮および一天四海は,東日本で成立したと考えられる大賀蓮,行田蓮および皇居和蓮を含む品種群と遺伝的に異なることが明らかにされた.前者の葉表面は粗,後者は滑であり,両群は葉表面の粗滑によって区別された.

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© 2003 園芸学会
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