園芸学研究
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栽培管理・作型
果実収穫後から異なる温度および日長下で成育させたポット植えサザンハイブッシュブルーベリー(Vaccinium corymbosum L. interspecific hybrid)の開花および新梢成長
髙橋 さくら堀内 尚美車 敬愛真弓 優理香荻原 勲
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2021 年 20 巻 3 号 p. 295-303

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抄録

本研究では,サザンハイブッシュブルーベリーの開花や新梢成長における温度および日長応答を理解することを目的に,収穫後から異なる温度および日長条件下で栽培したブルーベリー株の開花および新梢成長などの形態を検討した.その結果,収穫後に中温短日環境下で栽培した個体は結果母枝から早期開花と新梢の発生が観察されたことにより収穫開始も早く,収穫期間が長期化する傾向が認められた.一方,収穫後に高温長日環境下で栽培した個体は徒長枝から早期に開花したが,花房内の小花数が少なかったことから早期の収穫果数は少なく,実験期間中に結実した果実の収穫後に新梢が発生した.また,収穫後に低温短日環境下で栽培した個体は初めに新梢の成長が始まり,バイオマスが増大した後にそれら新梢の先端から開花するため早期収穫は見込めなかった.さらに,収穫後に高温短日,低温短日および中温短日に移動して栽培した個体も初めに新梢が発生したが,半促成栽培より早期に収穫することはできなかった.しかし,低温処理した2処理区では新梢が多く発生したことから,次に黄色葉が着生した個体を用いて低温処理を行い,新梢成長の応答についても検討を行った.黄色葉が着生した個体を低温処理したところ,発生した新葉は緑色を呈し,鉄含量は変わらなかったがマンガン含量が多かった.

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