2021 年 20 巻 4 号 p. 445-453
ノリウツギ(Hydrangea paniculata Sieb.et Zucc.) ‘ライムライト’ の花色変化について,遮光,紫外線および夜温が及ぼす影響を調査した.がく片色は,開花初期の白色から,その後,秋色と呼ばれる赤色に変化し,それに伴い明度も低下した.開花後に遮光ネットを用いて遮光した場合,遮光率が高いほど白色から赤色へのがく片色の変化は遅く,淡くなる傾向が認められた.10月上旬には遮光なしの場合,赤色を示すa*は13.4であったのに対し,70%遮光で8.6,90%遮光では–2.6であった.また,紫外線カットフィルム被覆により,花色変化が遅く,淡くなる傾向がみられた.さらに,花色変化は夜温の影響を受け,夜温5°Cから20°Cの範囲では,夜温15°Cの場合a*が17.8と最も高く,花色変化が促進された.以上のことから,ノリウツギがく片の赤色化には,6:00から18:00までの日平均で15,000 lx以上(114,000 lx以下)の照度,および0.300 mW・cm–2以上(2.524 mW・cm–2以下)の紫外線が必要であり,夜温15°C前後が最適であることが示唆された.一方,90%遮光区では開花終期においても赤色に変化しておらず,緑色を帯びたノリウツギの生産の可能性が示唆された.