園芸学研究
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収穫後の貯蔵流通
機械学習を利用したキャベツ選果システムの開発
内村 優希吉田 裕一後藤 丹十郎安場 健一郎
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2021 年 20 巻 4 号 p. 469-475

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抄録

現在,キャベツ選果場において外葉が2~3枚ある生食用と外葉がない業務用に選果する機械はなく,選果作業は肉眼で行われている.そこで初心者や障害者によるキャベツ選果作業を支援するためのCNNを利用したキャベツ選果システムの開発を試みた.また,webカメラ,ロードセル,マイコンを用いたキャベツ選果装置を作製した.キャベツ判別学習済みCNNとして,VGG16を転用したCNNを用いてキャベツのデジタル画像による機械学習を行った.その後作成したCNNを用いて精度評価を行った.作成したCNNでは,判別精度,ROC-AUC値,Recall値,Precision値,F値および適合率の評価値はすべて高い値を示しており,高い判別精度を確保した優良なCNNであると考えられた.キャベツ選果装置における動作完了までの所要時間は5.8秒であった.以上より,作成したキャベツ判別システムを導入することによって,初心者や障害者の補助ができ,労働力不足の改善に寄与できると考えられる.

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