園芸学研究
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収穫後の貯蔵流通
追熟温度および光照射がトマト「湘南ポモロンレッド」のカロテノイド生合成に及ぼす影響
澤田 幸尚曽我 綾香渡邊 清二吉田 誠永田 雅靖
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2024 年 23 巻 2 号 p. 147-154

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抄録

本研究では,神奈川県が育成したトマト品種「湘南ポモロンレッド」の日焼けによる品質低下(着色不良)を抑制するため,果実を早期収穫した後の適切な追熟条件を検討するとともに,カロテノイド代謝系の遺伝子発現について解析した.催色期で収穫したトマトを各温度で追熟させた結果,20°C~25°Cの温度帯で追熟を行うことでリコペンが多く蓄積し,またその際に,カロテノイド生合成関連遺伝子の一つPSYおよびプロリコペンをリコペンへと異性化する遺伝子であるCRTISOの発現量も高くなることが明らかとなった.また蛍光灯の照射がカロテノイドの生合成に与える影響としては,照射によりリコペン,β-カロテンの蓄積が高まり,果実の着色も早くなることが明らかとなった.カロテノイド生合成遺伝子の発現も高まっており,蛍光灯の照射がカロテノイド生合成経路を活発化させることが明らかとなった.これらの結果より,「湘南ポモロンレッド」における最適な追熟温度,さらに光照射によるリコペンおよびβ-カロテンの蓄積増大を表現型および遺伝子発現レベルで明らかにした.

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