2024 年 23 巻 3 号 p. 187-193
夏季に多発する水ナスつやなし果軽減のため,昼温または夜温がつやなし果発生に及ぼす影響を確認し,細霧冷房導入によるつやなし果軽減効果を検討した.人工気象栽培装置を用いた調査では,平均気温が同じでも,昼の気温が35°Cを超える猛暑に遭遇するとつやなし果の発生率が高かった.プラスチックハウスに細霧冷房を導入し,昼間の気温を2~4°C低下させ概ね30°C以下に維持したところ,つやなし部分がないA品の果実数が増加し,可販果数が増加した.特に,盛夏期に収穫果実数が多くなった年の栽培では,販売不能となる程のつやなし果数の減少が顕著であった.