ミルキー感のある風味やパイナップル様の香りを呈する品種・系統を含むニホンナシ14品種と14育成系統を対象に香気成分プロファイリングを実施した.132ピークについて成分を同定し,そのうちニコチン酸エステル(methyl nicotinate, ethyl nicotinate)とジオールの酢酸エステル(1,2-propanediol diacetate, 1,2-propanediol, 1-acetate)をナシ属果実の香気成分として初めて検出した.パイナップル様の香りを呈する個体はネパール系統後代と一致し,これらに特徴的な成分はethyl 2-methylbutanoateをはじめとするエチルエステル類とhexyl acetateをはじめとする酢酸エステル,acetoin,eugenolであった.一方,ミルキー感のある風味はγ-decalactoneとの関連が推定され,‘筑水’後代にこれを含む品種・系統が多かった.ミルキー感のある風味と‘筑水’およびγ-decalactoneの関連について引き続き解析する必要がある.