園芸学研究
Online ISSN : 1880-3571
Print ISSN : 1347-2658
ISSN-L : 1347-2658
育種・遺伝資源
日本および中国原産の完全甘ガキの交雑後代における甘渋性と果実重,果形および裂果性の関連
佐藤 明彦, 河野 淳, 尾上 典之
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 24 巻 2 号 p. 127-133

詳細
抄録

カキ(Diospyros kaki Thunb.)は樹上での自然脱渋と種子の影響による果肉色の変化に基づいて,完全甘ガキ(PCNA),不完全甘ガキ(PVNA),不完全渋ガキ(PVA)および完全渋ガキ(PCA)の4つのタイプに分類される.さらにPCNAは日本型(JPCNA)と中国型(CPCNA)の2種類に細分される.JPCNA形質は潜性であるため潜性ホモ接合体のみがPCNA形質を示すのに対し,CPCNA形質はJPCNAとは異なる遺伝子座の顕性遺伝子によって制御される.本研究では,JPCNA擬似戻し交配([非PCNA × JPCNA] × JPCNA)およびCPCNA品種と非PCNAとの交雑より分離したPCNAおよび非PCNA後代の果実重,果形指数,果頂裂果性およびへたすき性の程度を比較した.分散分析の結果,両タイプの交雑においてPCNA個体の果実重の平均値は非PCNA個体よりも有意に低いことが明らかになった.さらに甘渋性 × 組合せ交互作用が有意でなかったことから,組合せに関わらずPCNA個体の組合せ平均値は非PCNA個体に比較してJPCNA疑似戻し交雑で14%,CPCNA交雑で13%程度PCNAが小さくなることが明らかになった.CPCNA交配では,PCNAの果形指数は非PCNAの果形指数よりも小さく,より扁平になることが示された.果頂裂果については,JPCNA疑似戻し交雑においてPCNAの子の平均値は非PCNAよりも大きく,PCNAになることによって果頂裂果性が強くなることが示された.へたすき性に関しては,JPCNA戻し交雑,CPCNA交雑のいずれにおいても甘渋性との関連は認められなかった.

著者関連情報
© 2025 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top