2025 年 24 巻 2 号 p. 127-133
カキ(Diospyros kaki Thunb.)は樹上での自然脱渋と種子の影響による果肉色の変化に基づいて,完全甘ガキ(PCNA),不完全甘ガキ(PVNA),不完全渋ガキ(PVA)および完全渋ガキ(PCA)の4つのタイプに分類される.さらにPCNAは日本型(JPCNA)と中国型(CPCNA)の2種類に細分される.JPCNA形質は潜性であるため潜性ホモ接合体のみがPCNA形質を示すのに対し,CPCNA形質はJPCNAとは異なる遺伝子座の顕性遺伝子によって制御される.本研究では,JPCNA擬似戻し交配([非PCNA × JPCNA] × JPCNA)およびCPCNA品種と非PCNAとの交雑より分離したPCNAおよび非PCNA後代の果実重,果形指数,果頂裂果性およびへたすき性の程度を比較した.分散分析の結果,両タイプの交雑においてPCNA個体の果実重の平均値は非PCNA個体よりも有意に低いことが明らかになった.さらに甘渋性 × 組合せ交互作用が有意でなかったことから,組合せに関わらずPCNA個体の組合せ平均値は非PCNA個体に比較してJPCNA疑似戻し交雑で14%,CPCNA交雑で13%程度PCNAが小さくなることが明らかになった.CPCNA交配では,PCNAの果形指数は非PCNAの果形指数よりも小さく,より扁平になることが示された.果頂裂果については,JPCNA疑似戻し交雑においてPCNAの子の平均値は非PCNAよりも大きく,PCNAになることによって果頂裂果性が強くなることが示された.へたすき性に関しては,JPCNA戻し交雑,CPCNA交雑のいずれにおいても甘渋性との関連は認められなかった.