JM5とM. 27を中間台木とし,マルバカイドウを根系台木に用いて,リンゴの主要な品種を接ぎ木した場合の生育や,品種の穂木部位に荷重をかけた場合の折損状況を検討した.その結果,穂木に用いた品種のうち,‘つがる’,‘さんさ’,‘ニュージョナゴールド’,‘北斗’,‘王林’,‘ふじ’の生育は,JM5/マルバカイドウ台木がM. 27/マルバカイドウ台木に比べてやや小さくなった.穂木に用いた品種との接ぎ木部位は,JM5/マルバカイドウ台木では供試したすべての品種で台勝ち症状を示したが,M. 27/マルバカイドウ台木では‘つがる’,‘さんさ’,‘ニュージョナゴールド’,‘王林’で接ぎ目こぶが認められた.穂木部位に荷重をかけると,JM5/マルバカイドウ台木では穂木の幹あるいは台木の幹が不規則に折れたのに対して,M. 27/マルバカイドウ台木では接ぎ木部位で穂木と台木が剥離するように折損した.‘ふじ’は両台木に接ぎ木しても,他の品種より結合力が強く,20 kg以上の荷重をかけても折れなかった.