園芸学研究
Online ISSN : 1880-3571
Print ISSN : 1347-2658
ISSN-L : 1347-2658
育種・遺伝資源
6-ヒドロキシペラルゴニジン色素を含む黄赤色系アルストロメリア品種における花色とアントシアニン組成について
立澤 文見村田 奈芳篠田 浩一三宅 勇斎藤 規夫
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 3 巻 1 号 p. 7-10

詳細
抄録

新花色のアルストロメリア品種育成の基礎データを得る目的で,近年日本で作出された新しい品種の黄赤色系アルストロメリア15品種の外花被の花色とアントシアニン組成を調査した.この独特な黄赤色の花色は,R.H.S.カラーチャートでRed 41~46,色相値(b*/a*)で0.64~1.02であり,15品種の間に大きな差はなかった.しかし,カロチノイドの混同を避けるために0.1%塩酸性メタノールでアントシアニンを抽出した時のアントシアニンの吸収極大と,アントシアニン組成の結果からは,これらの品種には二つのタイプが存在することが明らかとなった.一つは6-ヒドロキシペラルゴニジン3-ルチノシドという黄色味の強いアントシアニンが主要色素となっている黄赤色花グループ(吸収極大波長:493~498 nm)であり,もう一つは6-ヒドロキシシアニジン3-ルチノシドを主成分としたグループ(吸収極大波長:502~509 nm)であった.後者は6-ヒドロキシシアニジン3-ルチノシド以外にカロチノイド等の共存による黄赤色の発現が示唆された.

著者関連情報
© 2004 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top