園芸学研究
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栽培管理・作型
‘水ナス’の加温栽培における最低気温が収量および果実品質に及ぼす影響
鈴木 敏征辻 博美森川 信也
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2005 年 4 巻 3 号 p. 303-306

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抄録
近年普及し始めた‘水ナス’加温栽培における温度管理技術を確立するため, 最低気温が, 加温栽培‘水ナス’の収量および果実品質に及ぼす影響について検討した. 最低気温14℃では, 葉に低温障害が現れるとともに, 総収量および可販果収量が16℃および18℃と比較して著しく少なかった. 最低気温16℃と18℃との間に収量差は認められなかった. 最低気温16℃および18℃で栽培された‘水ナス’の果実品質を比較したところ, 果色には差がなく, 16℃で果形が細長くなった. しかし, その差はわずかであり, 外観上の品質には差が認められなかった. 18℃では16℃よりも, 中果皮が有意に柔らかくなるとともに, 漬物加工時のNaClの浸透性が向上した. しかし, 現在‘水ナス’の価格は外観上の品質によって決定されているため, 16℃と18℃との間には果実の価格差がなく, 現状では‘水ナス’加温栽培の最低気温は暖房コストの安い16℃が適すると考えられる.
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© 2005 園芸学会
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