2006 年 5 巻 2 号 p. 149-152
ナスの促成栽培におけるキオビオオハリナシバチの受粉効果について,セイヨウオオマルハナバチと比較して検討した.試験は透明ネットで2つに分割したビニルハウスで実施した.分割した2区画に24株ずつのナスを定植し,それぞれキオビオオハリナシバチおよびセイヨウオオマルハナバチのコロニーを2004年12月29日から2005年6月1日まで,1群ずつ放飼した.その結果,キオビオオハリナシバチの受粉効率,収量および品質は,セイヨウオオマルハナバチと同等であったことから,キオビオオハリナシバチはセイヨウオオマルハナバチの代替花粉媒介昆虫となり得る能力を持つと考えられた.なお,今回は小面積での実験であるため,今後,実用規模での実証試験が望まれる.