2006 年 5 巻 3 号 p. 331-336
伊豆半島を代表する早咲きザクラである‘カワヅザクラ’の南伊豆地域における開花期を調査し,開花日と気温との関係について検討した.
4年間の平均開花日(2分咲き日)は,気温が高く推移していた地点では早く,気温が低くする地点では遅くなる傾向を示し,南伊豆地域内においても約1か月の差が確認された.年次間差では4年間の調査で約2週間の違いがあった.開花期間は2分咲きから満開までが平均18日と比較的観賞期間は長かった.開花日(2分咲き日)と気温との相関は,11月下旬から12月上旬にあたる開花前51~70日以降の気温との相関が高かった.河津町田中と南伊豆町青野川堤防における‘カワヅザクラ’の開花状況には個体差 が確認され,地域内で長期間連続して開花を続ける性質が認められた.