初夏どりネギ栽培において,トンネル被覆資材と施肥方法が生育,抽苔および収量に及ぼす影響について調査した.昼間の平均気温および平均地温は,ポリオレフィンフィルム(PO)で最も高く,有滴ポリエチレンフィルム(農ポリ)で低かった.また,POおよび無滴農ポリでは,土壌の乾湿の差が大きい傾向が見られた.抽苔率は,有滴農ポリでは全層区に比べ植え溝区で低かったが,POおよび無滴農ポリでは全層区に比べて植え溝区で高く,抽苔率および収量に被覆資材と施肥方法の交互作用が認められた.
初夏どりネギ栽培においては,保温性の高い被覆資材ほど花芽分化の抑制に有効であることが明らかとなった.また,保温性の高い被覆資材を用いる場合には,窒素施肥を調整することにより抽苔抑制効果を高める肥培管理が必要であることが明らかとなった.