園芸学研究
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収穫後の貯蔵・流通
カーネーションの蕾開花促進法における品種適応性
水口 聡渡辺 久川崎 哲郎
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2008 年 7 巻 2 号 p. 283-291

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抄録
蕾開花促進(BAA)法に,スタンダードタイプ6品種,スプレータイプ5品種を供試し,温度25℃,相対湿度75%,光環境1 klxで12時間日長,処理液のスクロース濃度5%の処理条件への適応性を評価した.いずれの品種でも収穫時の蕾径が小さいほど,がく割れや花弁の萎凋のような障害発生が認められたが,ある程度成熟した蕾段階で処理することにより,障害発生率は著しく低下した.障害発生のほとんどない蕾ステージの範囲において,蕾径に基づいて3段階で収穫し同様の処理を施したところ,蕾径が大きいほど処理日数は短くなり,同じ蕾径で比較すると通常収穫より出荷日を5.7日~10.9日短縮できた.プレジャーでは蕾径15.2 mm収穫で通常収穫より花径が小さく花持ちが短くなったが,18.4 mm以上で収穫すると通常収穫と同等となった.しかし,‘ラベンダーテッシノ’の花色発現および‘ローランド’の花径と花持ちはいずれのステージで処理しても解決できず,BAA処理条件の調節による改善も困難と考えられ,BAA法には適さない品種と判断できた.
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© 2008 園芸学会
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