園芸学研究
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栽培管理・作型
サツマイモ‘高系14号’の内部褐変症の発生に関する組織形態的および生化学的要因の検討
福岡 信之増田 大祐池下 洋一金森 友里
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2009 年 8 巻 1 号 p. 47-53

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抄録
サツマイモ‘高系14号’の塊根の内部褐変症の発生に関与する組織形態的および生化学的要因について検討した.内部褐変症の発生は塊根成熟期に認められ,この時期の塊根重の急激な増加によって障害の症状が進展し,この時期に高温処理して塊根肥大を抑制すると,障害の発生が抑えられた.内部褐変症が発生した塊根と健全根で根部組織を比較した結果,障害根は崩壊した柔細胞の痕跡が随所にみられた.また,障害根は健全根に比べ,PPO活性が高く,GSHR活性が低かった.以上より,塊根成熟期の細胞崩壊によるアスコルビン酸グルタチオン回路での活性酸素の消去機能の低下が,PPOを介した活性酸素の消去系を活性化し,このことが褐変現象を誘起する一原因となったものと考えられた.
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© 2009 園芸学会
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