2009 年 8 巻 1 号 p. 55-60
オクラのイボ果発生に及ぼす朔果への細菌散布,副がく片接触および湿度の影響について検討した.イボの部分から細菌が検出されたが,細菌の果皮への散布はイボ果の発生に影響しなかった.副がく片を人為的に果皮に接触させると,イボ果率が増加した.殺菌剤の散布後に副がく片を接触させると,接触のみを行った場合に比べて,イボ果率が高くなった.そこで,殺菌剤散布と水散布を比較したところ,両者ともに高いイボ果率を示した.高湿度環境下では,副がく片接触を行わない場合でも,イボ果率が高かった.しかし,副がく片を除去すると,イボ果率は湿度環境にかかわらず顕著に低くなった.以上のことから,副がく片表面の毛じが果皮に接触することがイボ果発生の直接的な要因と考えられ,高湿度環境下で接触が助長される可能性も示唆された.