2009 年 8 巻 3 号 p. 309-314
トルコギキョウの初秋出し栽培における花芽形成の抑制による切り花品質の向上を目的に,R : FR比の高い電球形蛍光ランプ(R : FR比,8.8)を用い,赤色光量(660±30 nm)を0.1,0.2および0.5 μmol・m−2・s−1とした夜明け前6時間の長日処理を行い,対照として無処理区(自然日長14~15時間)を設けた.定植から発蕾までの期間は赤色光長日処理により無処理と比較して有意に長くなった.開花時の主茎の節数は,赤色光量が大きいと多くなった.茎長は赤色光量0.2 μmol・m−2・s−1以上で無処理と比較して有意に長くなった.11品種を供試し,赤色光による長日処理を行った結果,9品種で定植から発蕾までの期間が,無処理と比較して有意に長くなった.赤色光長日処理により,主茎の節数は10品種で有意に増加し,最大で2.4節増加した.さらに,収穫(3輪開花)時の切り花長は,無処理と比較して最大で11.3 cm長くなり,9品種で切り花重が有意に増加した.赤色光長日処理により増加した節数は,無処理の到花日数と有意な相関が認められた.