抄録
リンゴわい性台木利用樹における晩材変色を調査するとともに,低温処理による変色の再現を試み,さらに,細胞障害率から耐凍性の台木品種間差異を検討した.‘ふじ’および‘ジョナゴールド’の成木における晩材変色はJM7台樹よりもJM1台樹に有意に多くみられた.JM7,M.9,M.26台利用の‘みしまふじ’1年生苗を凍結処理して変色程度と細胞障害率を調査した.形成層とその周辺部に褐変が認められ,低温による変色を再現できた.細胞障害率は穂木部でM.9が高く,台木部でM.9,JM7,M.26の順に高かった.本試験の結果と凍害の発生状況から,低温による細胞障害率の台木品種間における差異が圃場条件下での凍害症状の発症程度に影響する可能性が示された.