園芸学研究
Online ISSN : 1880-3571
Print ISSN : 1347-2658
ISSN-L : 1347-2658
栽培管理・作型
ヒペリカム挿し木苗の低温処理が成長と開花に及ぼす影響
松野 孝敏國武 利浩谷川 孝弘山田 明日香巣山 拓郎
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 8 巻 4 号 p. 483-487

詳細
抄録

ヒペリカム‘エクセレントフレアー’の挿し穂および鉢上げ後の苗に低温処理を行い,定植後の成長と開花に及ぼす影響を調べた.15℃で加温した鉢上げ苗は,10月15日~3月9日までの自然低温に遭遇した苗と比較して着花節位が高くなり開花が遅れた.挿し穂を2.5,5および10℃でそれぞれ1,2,5および7週間低温処理し,その影響を調べたところ,5℃以下で5週間低温処理することで発根数が多くなった.また,最低13℃,暗期中断4時間とした温室で栽培し,開花に及ぼす影響を調べたところ,5℃で5ないし7週間の低温処理で開花までの日数が短くなった.挿し木苗を2.5,5,10および15℃で1,3,5および7週間低温処理してその影響を調べたところ,2.5℃で7週間,5℃で5もしくは7週間の低温処理で開花までの日数が短くなった.また,5℃で5週間の低温処理により開花節位が低くなった.これらの結果から,ヒペリカム‘エクセレントフレアー’の挿し穂を低温処理することで発根が促進され,挿し穂または鉢上げ苗を低温処理することによって開花が早まることが明らかになった.

著者関連情報
© 2009 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top