2009 年 8 巻 4 号 p. 489-494
スイカ果実を一辺15,17.5および20 cmの3種の木製立方体容器に搬入し,肥大を機械的に抑制した.いずれの容器を用いた場合でも果実の形状は立方体となり,また,果実の大きさは容器の大きさに支配された.果肉色は20 cm区と対照区との間では差はなかったが,15 cm区と17.5 cm区は,特に果実中心部の果肉の着色が阻害された.果実の中心部と胎座間の全糖含量は,対照区に比べて15 cm区と17.5 cm区で低かった.また,20 cm区の全糖含量は中心部や胎座間では対照区と大差なく,皮境部で高かった.有機酸含量も果実肥大の抑制強度によって変化し,15 cm区や17.5 cm区では乳酸やコハク酸含量が対照区より顕著に高かった.以上より,一辺20 cmの立方体容器を用いて果実肥大を抑制すると,有機酸含量が低く,皮境部まで糖含量の高い果実を生産できる可能性が示唆された.