園芸学研究
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収穫後の貯蔵・流通
湿式輸送時の糖処理によるシュッコンカスミソウ切り花の花持ち延長効果
宮前 治加神藤 宏紺谷 均
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キーワード: 乾式輸送, 抗菌剤, ショ糖
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2009 年 8 巻 4 号 p. 509-515

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抄録

シュッコンカスミソウ切り花における湿式輸送中の糖処理の効果について検討した.イソチアゾリン系抗菌剤と硫酸アルミニウムを組み合わせた抗菌剤溶液をすべての輸送に用いた.まず,通常の開花ステージとこれより早い開花ステージで収穫した切り花について,ショ糖処理による花持ちを検討した.ショ糖+抗菌剤で処理すると,収穫時の開花ステージにかかわらず,小花の開花促進と切り花重の増加が認められた.次に,輸送中の温度(10および20℃)と輸送時間(24,48および72時間)を組み合わせて糖処理の効果を検討した.ショ糖+抗菌剤で輸送すると,10℃ 24時間区を除いて,抗菌剤での輸送に比べて切り花重と開花小花数が増加し,花持ちも延長した.以上の結果,ショ糖と抗菌剤を組み合わせた溶液での湿式輸送は,シュッコンカスミソウ切り花の開花促進と花持ち延長に有効と考えられた.

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© 2009 園芸学会
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