抄録
高温期および低温期における施設内の遮光による弱光条件が,単為結果性トマト‘ルネッサンス’の着蕾および着果に及ぼす影響について検討した.その結果,高温期における遮光率70%の弱光条件は‘ルネッサンス’の花芽の発育を大きく阻害したが,正常に発育した花芽では単為結果性の発現が認められた.また,‘ルネッサンス’の有種子果率および1果当たりの種子数を大幅に高めた.一方,低温期における遮光率45%の弱光条件は,‘ルネッサンス’の花芽の発育に影響を及ぼさず,単為結果性の発現は安定していた.従って,単為結果性トマト‘ルネッサンス’の生産性向上には,高温期における正常な花芽形成のために遮光処理を最小限に抑えることが重要と考えられる.