土と微生物
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窒素固定放線菌Frankia の分子遺伝学
九町 健一
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 76 巻 2 号 p. 49-58

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抄録

Frankia は窒素固定能を持つ多細胞放線菌である。Frankiaは厚い外壁で覆われたベシクルと呼ばれる球状構造体を形成 することで,好気条件でも窒素固定を行うことができる。加えて,アクチノリザル植物と総称される8 科200 種以上の樹木に根粒を形成して共生する。我々の研究室では,Frankia特有のこれらの能力に関わる遺伝子を同定することを目的として,窒素固定能が欠損したFrankia の変異株を多数単離した。一部の変異株はベシクルをほとんど形成しなかった。また,球状構造の拡大や外壁の発達に著しい異常を示す変異株も存在した。相補実験により変異原因遺伝子を同定することを目指して,Frankia の形質転換法の確立に取り組んだが成功には至らなかった。そこで,二次的変異により窒素固定能が回復した細胞を単離し,そのゲノム配列を解析することで変異原因遺伝子を推定した。

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