抄録
トルコギキョウの9月中旬定植,2月開花の作型において,窒素施肥濃度が花蕾のブラスチングに及ぼす影響を明らかにした.窒素以外の施肥成分濃度は一定のまま,発蕾期となった11月20日の前後で窒素施肥濃度を変化させたところ,総花蕾数,地上部新鮮重ともに発蕾後の窒素施肥濃度が高いほど増加した.しかし,ブラスチング小花率も同様に発蕾後の窒素施肥濃度が高いほど高く,個体窒素含量とブラスチング小花率には高い正の相関がみられた.またブラスチング小花率と地上部新鮮重の増加は比例していた.発蕾後の窒素施肥濃度が高いほど,より高次の小花までブラスチングするために開花が遅延することが明らかになった.発蕾後の高い窒素施肥濃度は個体の乾物生産を増加させた.年間で光量の最も低下する12~1月に花芽発達期が重なる作型では,発蕾後の窒素施肥濃度が高いと,花蕾よりも茎葉への乾物分配が優先されるためにブラスチングが発生すると考えられる.