園芸学研究
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栽培管理・作型
実エンドウ栽培における子実肥大不良莢の発生要因の解明 第1報 遮光,昼夜温が莢および胚珠の発達に及ぼす影響
川西 孝秀神藤 宏福嶋 総子佐藤 卓三原 弘光西森 裕夫東 卓弥
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2010 年 9 巻 2 号 p. 183-189

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抄録

実エンドウ‘きしゅううすい’の秋まきハウス冬春どり栽培における遮光および昼夜温が子実肥大不良莢の発生に及ぼす影響ついて検討した.低日射条件を想定した23%の遮光条件下で,2月中旬~3月上旬にかけて子実肥大不良莢の発生が多くなった.肥大不良胚珠の発生率が高くなると子実肥大不良莢の発生率も高くなる傾向が認められたのに対し,不稔胚珠の発生率と子実肥大不良莢の発生率との間に一定の傾向は認められなかった.夜間の低温(3℃)では7℃に比べて,正常胚珠の1粒重が小さいものの,正常胚珠数に有意な差はなく,夜間の低温が子実肥大不良莢の発生に及ぼす影響は小さいことが示唆された.50%の遮光条件下において昼間の低温(13℃)で子実肥大不良莢が多発した.一方,17.5℃では子実肥大不良莢の発生が認められず,低日射下における昼間の低温が胚珠肥大に大きく影響を及ぼしていることが示唆された.

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