2019 年 1 巻 p. 8-14
本研究では,対人関係ゲーム・プログラムを小学3年生に実施し,対人関係ゲーム・プログラムの実施が学級集団全体にどのような心理的意味をもたらすのかを質的検討を通して明らかにすることを目的とする。対象者は公立小学校3年生31名(男子15名,女子16名)であり,X年9~10月に計6回からなる対人関係ゲーム・プログラムを実施した。結果として,対人関係ゲーム・プログラムの実施を通して,クラスメート同士及び学級全体での関わりの増加が見られた。また,対人関係ゲーム・プログラムの実施は,学級の雰囲気の良さを促進し,学級のまとまりにも効果的だった。今後は,学級集団だけなく個別の児童(引っ込み思案・攻撃性の高い児童等)の体験から見た対人関係ゲーム・プログラムの効果に関する質的な検証も課題として挙げられる。