人間科学
Online ISSN : 2434-4753
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選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
臨床心理学科
総説
  • 藤原 朋恵, 住友 雄資
    2022 年 4 巻 p. 1-9
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/26
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    本総説論文の目的は,女性医療職の「仕事と子育ての両立」に関する研究動向から,女性の精神保健福祉士の「仕事と子育ての両立」に関する課題について明らかにすることである。全業種の中で正社員の女性率が高い「医療・福祉」の業種は,育児休業制度などの活用も行われているが,「医療・福祉」分野で働く女性は「結婚」「出産」「育児」などのライフイベントを契機に離職することが多い。一方,精神保健福祉士の歴史は比較的浅く,医療専門職の中でも「仕事と子育ての両立」についての研究は行われていない。「医療・福祉」分野で働く専門職(医師,看護師など)の「仕事と子育ての両立」に関する研究の動向をみると,多くの研究の蓄積がある。これらの研究から得た知見をもとに女性精神保健福祉士の離職予防のためには,「仕事と子育ての両立」が行える制度活用及び制度活用支援,職場環境及び人間関係,復職支援などの研究課題があることを明らかにした。

子ども教育学科
研究論文
  • 阿部 敬信
    2022 年 4 巻 p. 10-23
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/26
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    本稿では2012年7月に公表された中央教育審議会初等中等教育分科会「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」の後に,初めて行われた2017年の特別支援学校学習指導要領改訂と,それを踏まえた知的障害教育の現状について,「学びの連続性」の確保という観点から考察し,今後の研究課題を明らかにすることを目的とし,公刊されている文書のレビューを行った。その結果,知的障害教育においては,「学びの連続性」の確保の観点から,今後の研究課題として次の三つがあることを明らかにした。①知的障害教育の各教科等における目標に準拠した観点別学習評価を,各特別支援学校段階でどのように進めていき,学習評価の記述を行っていくのか。②知的障害教育の指導形態の一つである各教科等を合わせた指導において育成すべき資質・能力の三つの柱を踏まえた指導目標の設定をどのように運用していくのか。③「重複障害者等に関する教育課程の取扱い」における知的障害教育の「学びの連続性」の確保を,実際の各特別支援学校ではどのように適用していくのか。

  • 田井 康雄
    2022 年 4 巻 p. 24-32
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/26
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    人間は常に「よりよい」状態を求めるものである。それは実学を成立させてきた人間の本質である。実学において最も重要な要素は有用性である。実学分野における専門性は有用性に応じて評価されるのである。現在まで,乳幼児教育の分野における専門性はそれほど高く評価されてこなかった。乳幼児教育は母親によって行われる本能的活動であり,乳幼児教育は後の教育の準備であると考えられてきたのである。しかし,不確実性の時代が始まり,不確実性の価値に対する探究もまたあらわれてきている。社会変化に応じた専門性こそ,不確実性の社会において必要とされるだろう。とりわけ,乳幼児教育指導者に対するより高い専門性が今後求められるだろう。本論文では,乳幼児教育の価値と重要性について考察し,その結果,乳幼児教育指導者における専門性が近い将来において確立されなければならないことを明らかにした。それは今まで問題にされてこなかった新たな専門性を目指すものなのである。

  • 堀内 ゆかり, 堀内 雅弘
    2022 年 4 巻 p. 33-40
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/26
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    本研究では,女子大学生の隠れ肥満の実態とその栄養摂取状況の比較検討について,平均年齢20歳の女子大学生90名を対象に検討した。評価項目は,体脂肪率,体格指数(BMI),および栄養摂取状況であった。その結果,BMIが正常範囲(18.5~25)でありながら,体脂肪率が30%以上の「隠れ肥満」は,19名であり,体脂肪率が25~30%の「隠れ肥満境界域」は,27名であり,両者を合わせると全対象者の51%になった。BMIが正常5,かつ体脂肪率が25%未満の「ふつう」群(33名)と,「隠れ肥満境界域+隠れ肥満」群(46名)の2群について栄養素を比較検討した。「隠れ肥満境界域+隠れ肥満」群は,ビタミンK,食物繊維,豆類,および緑黄色以外の野菜・きのこ類の摂取が有意に少なかった(いずれもp<.05)。以上のことから,「隠れ肥満」を防ぐ食生活として食物繊維を多く含む食品群の摂取が推奨される可能性が示唆された。

スポーツ健康科学科
実践報告
  • 江田 佳子, 中山 百合子, 濱田 やえみ, 太田 美枝子, 辻 利恵, 坂井 英治, 堀内 公代, 田丸 英雄, 村谷 博美
    2022 年 4 巻 p. 41-48
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/26
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    九州産業大学では,2020年3月末から2021年1月末までの約10カ月間にCOVID-19の患者が学生,教職員を含め62人発生した。60人が学生である。九産大生の罹患率は,男0.684%,女0.286%であった。7月の学内クラスターが起こらずに済んでいれば,男の罹患率は0.539%となり,男女ともに,福岡県の20歳代の罹患率に比べて有意に低くなる。密や不要・不急の外出の回避,マスクの着用,手指消毒などの対策が効果を挙げており,学内クラスターの発生を防ぐことが今後の課題である。一方,福岡市や北九州市以外の福岡県在住学生の罹患率は,同条件の20歳代一般住民の罹患率よりも有意に高い。長時間をかけての遠距離通学が感染リスクになっていると考えられた。また,学生の不安に応じることも重要である。

  • 福田 拓哉, 飯塚 晃央, 大山 隆太, 新川 諒
    2022 年 4 巻 p. 49-60
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/26
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    コロナ禍はプロスポーツにも大打撃を与えた。2020年における世界各地からの報告によれば,その経済的損失は日本で2,747億円,欧州主要サッカーリーグで4,320億円,北米では大学スポーツを含めて1兆3,000億円にのぼる。こうした中,プロスポーツ組織が取るべき経営のあり方については,学術的な研究がほとんどなされていない。そのため,この危機の中での対処方法や価値創造のあり方が議論されることは実務のみならず学術の面からも重要であろう。そこで,本研究は筆者らが所属する日本,欧州,北米のプロスポーツチームを事例に,この緊急事態を乗り越えるための知見,課題,可能性を整理することを目的にした。研修対象は,福岡ソフトバンクホークス(日本,プロ野球),シント=トロイデンVV(ベルギー,サッカー),ワシントンウィザーズ(アメリカ,バスケットボール)であり,ケース・スタディの手法を用いて分析を進めた。

論文審査・編集委員
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